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2023年12月01日「仕事と介護の両立」について実践報告しましたin産業ケアマネフォーラム全国大会
去った11月23日勤労感謝の日、東京都新宿区において開催された「産業ケアマネフォーラム全国大会」において、産業ケアマネとして契約している企業経営者さまとペアで実践報告させていただきました🎉✨
※産業ケアマネとは「ケアマネジャーを紡ぐ会」により2020年に設立された民間資格。介護のノウハウと企業の制度、両面の知識を持って仕事と介護の両立をサポートし、介護離職を防ぐのを目的としている。介護に直面した会社員など家庭の状況にあわせた介護プランを提案し、フォローを行います(ベネッセスタイルケアより)
会場、オンライン共に多くの方にご参加いただきました。ありがとうございます。
実践報告のスライドと内容をnoteでも共有します😊
企業紹介
今回、hareruyaと共に実践報告してくださるのは
株式会社トータルライフサポート研究所 宮里啓 代表👏
トータルライフサポート研究所では、総合介護事業(介護付きホーム2施設、通所介護事業、訪問介護事業、介護予防事業、地域包括支援センター受託)を運営し、総勢136名の従業員を雇用しています。
介護に詳しいであろう 介護事業を営む会社さんが、何故、産業ケアマネを導入したのか。それには一つのきっかけがありました。
社員Iさんのこと
宮里代表によると、Iさんは
・入社前から先輩後輩の関係(Iさんは後輩)
・昔から責任感の強い男性
・優秀な人材で、それなりのポジション
・両親の介護について不安を感じていた
・更には、独身親族の対応まで行うようになった
と話がありました。
その中で、会社として力になりたいと思いながらも、具体的に何かする事もできず、たまたま交流のあった産業ケアマネの私(hareruya大城)に相談したのがきっかけでした。
もともと、福利厚生を重要視していたトータルライフサポート研究所では、育児をする従業員へは保育園利用料の半額補助がありますが、同様に家族を介護する従業員へのサポート体制がとられていないことが気にかかっていたようです。
こういった経緯から、産業ケアマネを導入することとなりました。
新M字カーブへの対応
宮里代表によると、これまでは結婚・妊娠・出産などのライフステージが変わるタイミングでの離職が多かったが、今後は家族介護のタイミングで仕事を離職する人が多くいるであろう、とのこと。
また、結婚・妊娠・出産で退職する従業員と、介護離職する従業員の違いとして「それなりにキャリアを積んだポジション」「40.50代」が多く、更に、沖縄の地域性として「子育て中の人が多い」ため、育児しながら介護をする人も少なくないと説明がありました。
今後、会社として離職を防止し、雇用の継続を図るためには「新M字カーブへの対応」が必須であるということです。実際に、産業ケアマネ導入をきっかけに、トータルライフサポート研究所では、家族介護をする従業員をサポートする取り組みとして、病院付添サービスなど介護保険外サービスを利用する際に会社が半額補助することを決め、介護も育児と同様に従業員を応援する体制を構築しました。
育児をする人も、家族介護をする人も、どちらも会社にとってはなくてはならない大切な従業員であること、その従業員の家族に対してサポートしたいという想いが伝わってきます。
提供するサービスはこちら✨
把握した実状に合わせて勉強会を開催したり、希望者には面談にて個々の状況に対し助言をおこないます。また、産業ケアマネには守秘義務があるので、従業員の承諾なしに企業へ内容を伝える事はありません。安心してご相談ください😊
産業ケアマネにおける、社員Iさんへの対応
実際にどのようにIさんへ対応したのか。大きくは二つです。
1.個別面談
今、Iさんの置かれる状況(家庭、仕事、プライベート)や対象となる親族の状況について確認し、助言をしました(介護保険認定がまだだったので、介護保険以外での制度利用について説明しました)2.介護保険外サービスの活用
対象となる親族の病状の把握ができていないことがわかったため、医師から受けた病状説明を報告書として取りまとめ、家族間で今後の対応について検討するため病院付添サービスを活用しました(病院内の付添は原則介護保険は利用できないため、完全自費となります)
介護認定後はケアマネジャーが担当として色々相談にのってくれますが、介護認定前の方や、介護認定を受けていても介護保険適用外の困りごとに対して相談にのってくれる場所はあまりないように思います。そんな時、企業内に介護について相談できる相手がいると心強いですね😊
産業ケアマネ導入企業、宮里代表より
企業にとって防ぎたい離職は、介護離職だけではありません。
現時点では、介護を理由に離職する人の方が少ない状況です(それ以外の理由での離職が多くあると思います)。
しかし、介護をしながら働ける職場は、介護以外でも、従業員が大切にしている何かとの両立がしやすい職場となるでしょう。それは育児、治療、趣味など、人それぞれかもしれません。
働きやすい職場では、雇用が定着し、長く働き続ける人が多くでてくる。それは時に口コミとなり、評価となり、自然に他社との差別化となります。
働く人が安心して働く事ができる職場は幸せが循環し、生産性も向上し、それが企業にとっての成長に繋がると考えています。
宮里代表のお言葉を受け、私自身、産業ケアマネとして身が引き締まる思いです😭契約いただいた企業にお勤めの皆さまが、万が一、大切なご家族の介護に直面した際にも慌てることなく、より多くの選択肢の中からベストを選択し、安心して家族介護と仕事との両立ができることを第一に。
けれど、もし、「家族の介護に専念したい」という想いがあるときは、その想いを尊重し、家族介護に専念できるようサポートします(私達が防ぎたいのは「望まない介護離職」なのです)。
仕事を続ける人も休職する人も、誰もが大切な家族との時間を豊かに過ごせるように。自身の人生(キャリア)を諦めることがないように。
いつの日か、家族介護をやりきったあと、スムーズに復帰できるような社会であるようにと願っています😊(介護離職後の再就職・社会復帰率は50%以下です。P3図表2)
引き続き「仕事と介護の両立」に向けて取り組んでまいります。
今後ともどうぞ宜しくお願いいたします。
2023年12月1日
合同会社hareruya
代表 大城五月
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